第八章
それはX部隊に入隊した初日、ウルフェンの上でダークシャドウと戦った時のこと。
意を決してアーウィンに飛び移り、ダークフォックスに攻撃を与えたまではいいものの、ルーティは振り落とされてしまったのだ。が、その手はスピカに掴まれて……
救われたんだ。あの日、スピカに。
どうしようもない馬鹿の命を。
「もう、誰も……っ、死なせないって、決めたんだ……!」
それは忘れもしない、ダークリンクの腕を掴んだ時に咄嗟に叫んだ言葉。
どんな命にだって意味はあるのだと、それぞれ想いがあるのだと思い知らされた日。
「もう、何も奪われないって……っ、全てを取り戻すんだって、誓ったんだ!」
ここに来る直前、姿の見えないマスターとクレイジーに言い放った言葉。
ルーティはぐっと歯を食い縛って。
「応えて、スピカ!」
ルーティは声を張り上げた。
「君を死なせたくない! 助けたい! だから……生きて!」