第八章
「っ硬いな」
何度か鎖に銃弾を撃ち込んだものの、数発撃ってようやく一本の鎖が千切れたくらい丈夫で、なかなか壊れない。
ウルフは舌打ちをしつつ、再装弾をして補充をすると、再び銃弾を撃ち込んで。
「その鎖は特別に構成されたもの。今更間に合うわけが……潔く死ねばいいのに」
その様子を浮遊した足場に腰掛け、眺めてはぶつぶつと呟くダークウルフだったが、不意にやって来たルーティに腕を掴まれ。
「な」
「君も来て! 手伝って!」
今のダークウルフが、言った通りに手伝うわけがないことは分かっていた。
しかしルーティはダークウルフの手を引いてはウルフの隣まで連れてくると、今度はスピカを連れてこようと振り返って。
「っスピカ!」
見れば、スピカの足下は崩れかかっていた。しかし、気付いても尚スピカはその場から動かず、遂に足下は崩れてそのまま――