第八章
「……で」
ウルフは右手に構えた銃をスピカの後頭部に、左手に構えた銃をダークウルフに構えたまま、ルーティを横目で捉えると。
「どうすんだ? この後」
そこまでは考えていなかった。
扉に巻き付いた鎖は消える気配は無く、ルーティは腕を組んでは考え込んで。
「もう遅い」
ぽつりとスピカが呟いた。
「俺もあんたも、ここで死ぬんだからな」
――次の瞬間、地面が大きく揺れてルーティとウルフはよろめいた。その隙にダークウルフは抜け出し、ウルフの手から己の銃を取り上げて、浮遊した足場の上へ。
地面がひび割れ、所々が抉れて。ステージの端から少しずつ、崩れていき。
「ルーティ! 急げ!」
ウルフは地面が崩れていない、反対側のステージの端へ向かうと、そこにある閉ざされた扉の前に立ち、鎖に銃口を向ける。