第八章



「てめっ」

その様子に気を取られていたスピカは声を上げるが、遮るようにルーティはスピカの両肩を掴み更に高く飛ぶと空中で前転。

後頭部目掛けて踵落とし。命中し、スピカは地面に叩き落とされる。

「っ小癪な」

スピカは何とか受け身を取っては地面に着地、目の前に着地したルーティに片手を翳し、漆黒の稲妻を放とうと構えた。

しかし、後頭部に銃口を添えられて。

「やめときな」

銃を構えたのは、ちょうどスピカの背後に背中合わせに立っていたウルフである。

一切振り返らずにそう告げたのは、ウルフの足下に仰向けに倒れたダークウルフの腹を踏みつけていたからで。

「っ……すみません、リーダー……」

今まさに落ちてきたダークウルフの銃を、ウルフは反対の手に取り、ダークウルフに銃口を向ける。――静寂が訪れた。
 
 
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