第八章
「おわっ!?」
蹴りで返そうとしたその時、ウルフに首後ろの襟を掴まれ引っ張られて。
結果的にはダークウルフの蹴りを躱すことが出来たが、ルーティはそのままスピカの立っている方向へ投げ飛ばされてしまい。
「いったぁ!」
スピカは飛んできたルーティを身を屈めては躱し。ルーティはその少し先に落ちては尻餅をついてしまい、大袈裟に声を上げては痛そうに己の尻を摩り。
すると頭上に影が映ってルーティが見上げると、そこには踵落としを仕掛けてきたスピカの姿。咄嗟に横に反転しては躱し。
「おらよっ!」
着地と同時に立ち上がったルーティの顔面目掛け、スピカは拳を突き出す。
反射的に受け止めたところでほくそ笑むと、顔の側面目掛けて蹴りを飛ばし。ルーティはあっさり蹴られ、よろめいては後退し、蹴られた箇所を摩っては睨み付ける。
スピカはふんと鼻で笑うと。
「さっきの借りは返したぜ?」