第八章
「よくも!」
入れ替わるように駆け出してきたのはダークウルフである。ルーティは両手を翳し、青い稲妻を断続的に放つ。
しかしそれをダークウルフは右へ、左へと躱しては一気に間合いを詰めて飛び上がる。すると、全く警戒していなかった漆黒の稲妻が前方よりルーティを襲って。
「なっ」
油断して防御の姿勢も忘れて立ち尽くすルーティの前に飛び出し、ウルフはベルトに備え付けられた反射バリアを発する小型装置に触れて、赤紫色のバリアを張った。
「目の前の敵だけを警戒してどうする!」
ウルフは漆黒の稲妻をバリアで弾くと、後ろのルーティを横目で睨み付けて。
ルーティが申し訳なさそうにしていると背後に気配を感じて振り向き、飛んできたダークウルフの蹴りを両腕で受け止めた。
ダークウルフは舌打ち、瞬時にその場でバク転しつつ飛び上がったかと思えば、着地と同時に今度は反対の足で蹴り払い。