第八章
スピカは足場を強く蹴ってバク転しつつ後方に飛び上がると、ルーティの背後に着地すると同時にその勢いで投げ飛ばし。
追撃をするべくぱちんっと指を鳴らし、ステージ外に飛ばされたルーティ目掛けて漆黒の稲妻を放つ。ルーティは横に反転しては躱すと、ステージの端に掴まる。
「速い……っ」
ルーティはぽつりと呟く。
ウルフェンの上で応戦した時とは桁違いの速さだ。やはり、あの時は風が邪魔して上手く戦えなかったのだろう……ルーティは反動を付けてステージに飛び乗って。
「ぼけっとすんなよ?」
浮遊した足場から飛び下りたスピカがそう笑って、間合いを一気に詰めてきた。
両手をルーティの腹に翳し、バチバチと電気を手に走らせたのを見てルーティは咄嗟にその両手を掴み、下に引く。
前方に倒れかかるスピカの顎目掛け、膝蹴り。見事命中し、ルーティは両手を開放して、よろめくスピカを殴り飛ばす。