第八章
二人が先程通ってきた扉は硬く閉ざされ、何処からか現れた鎖が巻き付いて。
ふと、観客席に挟まれた巨大なモニター画面に視線を移す。そこにはしっかりとルーティとウルフの姿が映し出されていて。
しかし……それは正面から映されていた。
目の前にカメラは無い。ゆっくり、ルーティとウルフに近付いてくる。危険を察知し、ルーティとウルフは飛び上がった。
バチィッ!
間一髪、漆黒の稲妻が前方より地面を這うように勢いよく放たれた。しかし、そこにそれを放った犯人の姿は無く。
ウルフは浮いている足場に着地。ルーティはその下の地面に着地すると、同時に両手を突き出しては青い稲妻を放った。
が、何にも当たらず。
「ルーティ、後ろだ!」
ウルフが咄嗟に声を上げるも遅く、ルーティは背後から蹴り飛ばされて。
すぐに受け身を取って体勢を整えるも、相変わらず相手の姿は見えず。相手は何処に隠れているのか、そうこうしている間に今度は顔の側面に蹴りを入れられて。