第七章
「リーダーに死なれるよりはマシです!」
「勝手に殺すな!」
こうして端から聞いていれば微笑ましい遣り取りなのだが、今の二人は敵なのだ。
「ウルフ!」
ダークウルフは静止させようとするスピカの命令を無視して、ウルフェンの先端に赤紫色の光をチャージしていき。
やがて、その光は中くらいの球体を象ると、前方へと放たれた。何もない所に溶け込むように消えたかと思えば、内側から空間を押し広げ、その先に亜空間を覗かせる。
「背に腹は替えられませんよ」
ダークウルフが呟くと、スピカは己の失態に苛立ちを感じて舌打ちをして。
その際、スピカはルーティを睨み付けたが、ルーティは此れ見よがしに赤い舌を出して。スピカは眉を顰め、顔を背ける。
やがて、二機のウルフェンは続けざまに亜空間へと突入。紫色の雲が視界を覆って。