「そうだ！」

そんな時、何かを閃いたのかルーティは声を上げて立ち上がり、振り返る。

あちら側のウルフェンもちょうど、Uターンして向かってきたところで。ウルフはちらりとルーティを見遣り、怪訝そうに。

「何か思い付いたのかよ」

しかし、ルーティが答えるよりも先に、スピカは片手を突き出しては漆黒の稲妻を放とうと、手のひらに纏わせていき。

「ウルフ。ウルフェンを宙返りさせて」

そんなことをしたら、落ちるに決まっている……ルーティの言っていることが理解出来ず、ウルフはすぐに実行出来ずにいた。

ルーティは跪き、声を上げる。


「僕を信じて！　早く！」


飛んでくる漆黒の稲妻。翻すように、ウルフはウルフェンを宙返りさせる。

宙返りでウルフェンがちょうど逆さまになったその時、ルーティは左翼を蹴り出して真下を通る、あちら側のウルフェンへ。

間一髪、左翼に掴まり、反動をつけて飛び乗る。予想外の行動に、スピカは怯んで。