第七章
「ごちゃごちゃと!」
スピカは対抗するように漆黒の稲妻を放ち、衝突。ギリギリと押し合っていたが、あちら側のウルフェンがレーザーを放ってきて、中断。旋回して躱す。
――しかし、このまま撃ち合っていては埒が明かない。どうすればいいのか。
「ルーティ! 余所見をするな!」
ルーティが策を練っていると、ウルフが声を上げたと同時に、あちら側は漆黒の稲妻とレーザーを同時に放ってきた。
旋回ばかりでは動きも読まれてしまう為、ウルフはウルフェンをUターンさせるとあちら側のウルフェンの真下を潜り抜ける。
「お、落ちるかと思った……」
唐突に違うパターンで躱すものだから、ルーティは思わず落っこちそうになり、伏せては左翼にしがみついていて。
――現在、ウルフェンは元エックス邸のあった、紫色の巨大な球体の上空を飛んでいる。落ちればもちろん、一溜まりもない。