第七章
「ふざけんなよ」
ぽつりとウルフは呟いた。それでも尚、ルーティの涙は止まらなくて。
「てめえの正義ってのはそんなもんかよ。仲間がいなきゃ守れねえってのかよ」
そう告げながら、攻撃を躱す為にウルフェンを急旋回させて。ルーティは落ちないよう、コックピットにしがみつく。
「甘ったれるな!」
ウルフは語気を強めて言い放つ。
「誰かがいなきゃ勤まらない正義なんて、そんなヒーローごっこはやめちまえ!」
ぐさぐさと突き刺さるウルフのその言葉は、寧ろルーティを蘇らせた。伝う涙を手の甲で拭い、ルーティは首を横に振る。
――このまま終わっていいはずない。まだ間に合うかもしれない……だとしたら。
その可能性を信じて、戦いたい。
「僕の……目指した正義は……」
ルーティはのっそりと立ち上がり。
「こんなんじゃない!」