第七章



「死ねえっ!」


スピカの荒々しい声が聞こえて、ルーティの放つ稲妻は遂に弾かれた。

そのタイミングでウルフェンは旋回しては向き合い、レーザーをチャージする。

「やめてウルフ! 撃っちゃ駄目だ!」

ルーティが声を上げると、ウルフは小さく舌打ちをしてチャージを中断、レイアーゼ目指して飛び上がっていき。

相変わらず背後に付き纏う、ダークウルフの操縦するウルフェン。――するとようやく、レイアーゼの領地に入って。

「はっ! ちょこまかと……逃げられるとでも思ってんのかよ! なあ!」

鼻で笑い飛ばし、いつもと違う口調で声を荒げては漆黒の稲妻を放つスピカ。

しかし、ルーティはそれよりも、視界に飛び込んできたレイアーゼの変わり果てた姿を見て、言葉を失っていた。

「嘘……っ」

森で見た幾つもの紫色の球体が、レイアーゼの所々を覆っている。レイアーゼ各地では悲鳴が上がり、ルーティは微かに震えるその手で、己の両耳を塞いで。
 
 
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