第七章



「ルーティ!」

無線から聞こえてきたフォックスの呼び声により、ルーティは左翼の上に立ち上がると、両手を突き出して。

もう目の前まで迫ってきていた漆黒の稲妻による攻撃を阻止するべく、ルーティは両手から青い稲妻を放ち、稲妻は共に衝突。

「ルーティ! 深く考えるな!」

フォックスは何処で何をしているのか、アーウィンは見当たらないが状況は把握しているのか、声だけが聞こえてきて。

「こっちも今、俺の偽者と応戦中だが……っ様子がおかしい。こいつら、二ヶ月前のことを完全に忘れているみたいなんだ!」

一瞬でも気を抜けば此方の稲妻は弾かれ、撃墜されてしまうので、ルーティはちゃんと答えることが出来ずにいた。


――でも、完全に忘れてるってどういうことだろう。もしかして、スピカとダークシャドウは、マスターとクレイジーにバレて……無理矢理“ゼロ”にされたんじゃ。
 
 
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