第七章
「ウルフ、フォックス、急いで!」
森を抜けて野原に出ると、ルーティは遅れてやってきた二人に忙しなく呼びかけて。
フォックスがアーウィンに、ウルフがウルフェンに乗り込んだのを確認すると、ルーティはウルフェンの左翼に飛び乗る。
「早く! エックス邸に!」
「分かっている!」
急かすルーティにウルフは荒い口調で答えて、エンジンをかける。――と、その時、空から此方へとビームが撃ち込まれて。
「何っ、わあっ!?」
機影を頼りに見上げるよりも先に、ウルフェンは勢いよく飛び立って。遅れてアーウィンも飛び立ち、向かうはレイアーゼ。
「くそっ、しつけえ野郎だ!」
ウルフェンの後ろから次々とビームが飛んできて、ウルフは舌打ちをしては上手く操縦して躱す。ルーティは振り向いて。
「っ……なんで」
何となく分かっていたことでも、ルーティは信じられず、唇を噛み締める。
――ウルフェンを追い回し、攻撃を仕掛けていたのは同じくウルフェン。それを操縦しているのは、ダークウルフだったのだ。