第七章
そんなはずはない――ルーティはエックス邸を出てここに来るまで、フォックスとウルフと行動を共にしていたのだから。
攻撃を仕掛けようとした友人を、ルーティは後ろから抱きついては止めて。
「待ってよ! 二人は僕と同じX部隊なんだよ!? そんなことっ」
「オレは確かにこいつらを見たんだっ!」
その友人が酷くもがくので、ルーティはとうとう解放してしまい。友人は気が立っているのか、眉を顰めると振り返って。
「じゃあ何かよ! オレがそいつらの偽者でも見たってのかよ!」
ルーティははっとした。
――嫌な予感がする。そうだとすれば、エックス邸に残っている皆が危ない!
「ちょ、ルーティ!」
事情を説明するよりも先に、ルーティは駆け出していた。友人が慌てて静止の声を上げるも、立ち止まる気配はなく。
フォックスとウルフは共に駆け出し、森の入り口へ向かうルーティを追いかける。