第七章
ルーティが呼びかけるとその友人はうっすらと目を開いて、ルーティの両肩を掴むとのっそりと己の上体を起こした。
「ルーティ、か……っへへ、久しぶりじゃん。戻ってたのかよ」
怪我を負っているのか、そう告げては右肩を左手で押さえて、自嘲気味に笑う。
「オレの兄ちゃんも、巻き込まれて……助けられなかった。情けねぇよ、本当」
それは聞いているだけでも辛く、ルーティは一度、強く抱き締めると頭を撫でて。
「……何があったの?」
ふと、フォックスとウルフが此方へ歩み寄ってきた。二人の姿を視界に捉えた瞬間、その友人は立ち上がり、構えて。
驚いて立ち上がったルーティを後ろに追い遣り、フォックスとウルフを睨み付ける。
「ルーティ! 下がってろ!」
「えっ」
「こいつらが……」
殺気立ちながら、語気を強めて。
「こいつらが、ここにある全てを奪ったんだ!」