第七章
ウルフはその辺にあった小枝を手に取ると、何気なく紫色の球体目掛けて投げた。
すると、その小枝は紫色の球体に触れた瞬間に燃え上がり、黒焦げた後に跡形もなく消滅してしまったのだ。
――なるほど、普段見えない上に触れられない世界に触れようとすれば、ああなってしまうのだろう。あの紫色の球体は言わば、剥き出しの亜空間なのだから。
「まるで神の天罰、だな」
その様子を目にしたフォックスは、ぽつりと呟いて、ルーティも黙って頷き。
ルーティはフォックスから離れると、ぐるりと辺りを見回した。誰か生存者……いや、目撃者はいないのだろうか。
「っう」
その時、小さな呻き声が聞こえてルーティは茂みの奥を見遣る。そこにはルーティがよく遊んでいた友人が倒れていて。
急いで駆け寄り、抱き起こすと。
「ねえ! 大丈夫っ!?」