第七章
「もしかして、父さんの死因って」
フォックスは頷いて、その時の出来事を思い出すと少しだけ俯き、寂しそうに。
「あの時、それまでのダメージとボルテッカーの反動が重なって、体に大きな負担をかけてしまったんだ。確かにその時は世界を救えたけど、皮肉な結果だよな」
フォックスが自嘲気味に小さく笑うと、ルーティはぴたりと立ち止まって。
「……大丈夫だよ」
ぽつりと呟く。
「僕は絶対に死なないから」
フォックスとウルフは立ち止まり、ルーティを振り返った。ルーティは二人に駆け寄ると、歩きながらにこりと笑って。
「……ん。信じるよ」
ルーティのその何気ない言動に助けられながらフォックスは微笑を浮かべると、隣を歩くルーティの頭をそっと撫でて。
「えへへ……ね、もうすぐ着く?」
「そうだな、そろそろ」
その瞬間、三人は揃って足を止めた。
「――え?」
そこにあったのは、向日葵畑でもなければ、ただの森や野原でもない。
木々や建物でさえ巻き込んで立ち塞がる、見覚えのある紫色の大きな球体――