第七章



「――でもさ」

ラディスの墓がある向日葵畑までの間、ルーティはDX部隊での話をフォックスから聞いては楽しみ、歩いていた。

ふと、ルーティはとある疑問を口にする。

「父さんって、何で死んだの?」

いくら最愛の父親の死に対する免疫が出来たとはいえ、この質問は答えづらい。

とはいえ、黙っていればそれはそれで怪しい。まさか自分が殺したわけじゃあるまいし、とフォックスは口を開いた。

「ボルテッカーって知ってるか?」


――聞いたことがある。

ボルテッカーとは、ピチカやルーティの、いわゆる電気鼠の種族の極一部の人間にしか扱えないと云われる、特別な技。

莫大な威力を誇るがリスクは大きく、使えば体力を大幅に消耗し、場合によっては死に追い遣る危険性だってあるのだとか。

故に禁忌として封じられてきた。

最も、そのボルテッカーを発動させる条件は簡単で、稲妻を全身に纏いながら一定時間走り続け、稲妻の色が青から金色へ変われば準備完了。後は突進するだけである。
 
 
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