第一章
「この乗り物、ウルフェンっていうんですね。かっこいいなぁ」
フォックスやファルコが謎の敵、ダークシャドウと対峙する中、ルーティとウルフは事態に気付かず、会話を楽しんでいた。
「敬語を使うな」
いつまでも丁寧な口調であるルーティに何となく嫌気が差したのか、ふんと鼻を鳴らしてそう告げる。
ルーティは頷き、微笑んで。
「……でも、先に行き過ぎちゃったかな」
誰よりも早くエアポートを立ったのだから、部隊のメンバーを乗せた肝心の飛行機はまだだいぶ後ろの方を飛んでいて。
心配そうなルーティを見て、ウルフはレーダーをチェックしてみる。そこでようやく、ウルフが異変に気付いた。
「うわっ!」
赤い小型戦闘機、ウルフェンが急旋回をしたので、ルーティは思わず、最初に乗った時のようにコックピットにしがみつく。
ルーティは困惑した表情で。
「なっ何? どうしたの?」
すると、ウルフは小さく舌打ちをして。
「敵だ! 早速仕掛けてきやがった!」