第七章
なるほど、ルーティの母親であるルピリアは時々こっそりと出かけていたが、あれは向日葵に水をやる為だったのだろう。
「あそこに停めよう、ウルフ」
フォックスは森の入り口にある野原へ向かい、高度を少しずつ落としながら告げた。
「花は散らしたくないから」
アーウィンとウルフェンを野原に停めて、ルーティは左翼から下りるなり空高くに浮かぶ、レイアーゼを見上げた。
――あんな所で二ヶ月半も過ごしていただなんて。空中大都市ってやっぱり凄い。
「こっちだ、ルーティ」
フォックスはアーウィンから下りると、一度ぐっと体を伸ばしてリラックスした後、振り向いて告げては歩き出して。
ルーティはウルフがウルフェンから下りると、一服しようとしたウルフの腕を掴んで、フォックスの隣まで駆けっていき。