第七章



エンジンがかかり、アーウィンとウルフェンは少しずつ浮上していき。すると、庭でローナやネスと遊んでいたピチカが気付いて駆け寄り、ルーティを見上げて。

「おにぃ、何処に行くの?」


……そういえば、ピチカは二ヶ月前のあの日、スピカと別れてから元気が無くなっていた。今はまた、元気になっているが。


ルーティは何となくそのことを思い出すも、決して突っ込もうとはせずに。

「今から、父さんのお墓見に行くんだ」

そう告げると、肩を竦めては嬉しそうに笑って。ピチカは手を後ろで組みながら。

「いいなあ。僕も行きたいけど、今日はダークシャドウの人が来るんだって」

決してつまらなそうではないが、ピチカは共に行けないことを残念がっていた。


――それより、ダークシャドウが来るなんて初耳だな。いつの間にそんな風に話が進んでいたんだろう? 別にいいけどさ。

休戦協定を結んでることだし。
 
 
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