第七章
早速、三人はエックス邸を出ると、庭の端に停めてあるアーウィンとウルフェンの元へ。と、フォックスは立ち止まり。
「ルーティ、どっちに乗る?」
乗る、というのは恐らく、ウィングのことだろう。アーウィンもウルフェンも元々一人乗りだから、そうする他無いのだ。
しかし、ルーティは迷うこともなくウルフの服の裾を掴むと、にこやかに。
「ウルフのに乗る!」
いつの間にか随分と仲良くなったんだな、と感心しながら、フォックスは「了解」と笑ってアーウィンに乗り込む。
続いて、ウルフもウルフェンに乗り込むと、ルーティを横目で見遣って。
「早くウィングに乗れ。置いてくぞ」
――それは、エックス邸に向かう前、エアポートで初めてウルフェンに乗る直前にも言われた台詞だった。
ルーティは思い出し、小さく笑みを溢しては左翼によじ登って腰掛けながら。
「最初の時みたいだね」
「何のことだ」
ウルフはふんと鼻を鳴らした。