第六章
「ウルフェンは呼べないの!?」
衝突を目の前にルーティは焦って声を上げると、ウルフは少し顔を引き攣らせて。
「亜空間に置いてきた」
「馬鹿ぁ!」
今更何をしようと間に合わない。
万事休すかと思われたその時、ルーティの脳裏にゲムヲのある一言が甦った。
――信じて。
そのまま、全員は勢いよく森の中へ。
ぽふっ
「はわっ!?」
次の瞬間、ルーティは声を上げた。全員が飛び込んだのは、黒のトランポリン。
地面への直撃は免れたものの、全員がその上でぴょんぴょんと跳ねて。トランポリンの傍らには、ゲムヲとロボットの姿が。
『無事でよかった』
そう書いたスケッチブックを見せながら、ゲムヲは嬉しそうに笑いかける。