第六章
ロボットは立ち上がると、己の両耳に手を添えて瞼を瞑る。すると、キンと一瞬金属音が鳴って、ロボットの目の前の床が半径一メートルほど抉れ、穴を開いて。
穴の奥には紫色の謎の空間が広がっている。どうしてこうしたのか、ルーティが不思議そうに小首を傾げていると。
「また、来ますよぉ……っ!」
駆け寄ってきたヨッシーが、そう告げてタブーを指差す。確かに、タブーの周囲を紫色のオーラが纏っていて、先程と同じ嫌な予感がする。――あんなの。
「二度も喰らったら、死ぬに決まってる」
ルーティの代わりにウルフが呟いて。
しかし、その通りだ。何か成す術は無いのだろうか……そう思っていると、ロボットは先程自分が作った穴の中へ飛び込んで。
「タフな奴らだな……」
「大丈夫。今度はちゃんと、殺すからね」
クレイジーは愛しそうにマスターに擦り寄りながら、ぽつりとそう告げて。
――まずい。彼らは本気だ。