第六章
「っく……な、に……今の……」
横たわってしまっていたルーティはようやく上体を起こすと、荒い呼吸を繰り返しながら呆然と呟いて。見れば、ウルフはその場に座り込んで頭を抱えている。
――気持ち悪い。例えるなら、体の中にある何かを無理矢理引っ張り出されそうになったような、そんな感覚。
「う……っおえ、え………!」
リンクはその場に四つん這いになり、嘔吐して。それほどに、あの衝撃波は体に大きな負担をかけてしまったのだろう。
ルーティはふらふらと立ち上がると、リンクの元へ駆け寄って背中を摩ってやり。
「馬鹿、あまりアレを使わせるなよ」
マスターは特殊なバリアを張って免れたのか、クレイジーの元へ駆け寄ると左手を握って、顔を覗き込んでは叱り。
クレイジーは落ち着いたのか、眉尻を下げて寄り添いながら、申し訳なさそうに。
「だって、……ごめんなさい……」