第六章
間髪を容れず、一気に間合いを詰めたウルフがクレイジーの鳩尾を殴り付ける。
右手を握る力が緩み、その隙にマスターに回し蹴りを食らわせる。二人は引き離され、マスターは数メートル先へ吹き飛んで。
「ぐっ!」
上手く受け身が取れずに床を転がり、呻くマスター。クレイジーは鳩尾を左手で押さえながら、その場に両膝を付いて。
「クッパ!」
糸が切れたように床に倒れかかるクッパを、マリオは抱き止めて。どうやら、傀儡の念力が解けたらしい。
リンクも、倒れたガノンドロフの腕を己の肩に回しては起こして。すると、クレイジーは強烈な殺気を漂わせる。
「よくも……っ僕を……兄さんを……」
ゆっくりと立ち上がったのを見て、ウルフは瞬時に後退しては距離を取って。
「許さない……」
ルーティは着地するなりその殺気に恐怖を覚えて、ウルフの後ろに隠れる。
次の瞬間、クレイジーは目を見開いて。
「許さない!」