「動けるか？」

ルーティは一旦左肩の掠り傷に手を添えて、それから腹を摩った。――痛みはまだ残るが、動けないほどではない。

「平気」

そう答えると、ウルフは銃口をクレイジーに向け、発砲。それを合図に、ヨッシーとロボットが駆け出して。

放たれた銃弾はクレイジーの頬を掠め、ウルフを睨み付ける。もうすぐそこまで迫ってきたヨッシーとロボットを弾くように、二人はぐんとバリアの強度を上げて。

「ロボットさん！」

バリアの手前で背中を向けて立ち止まったヨッシーは、両手を前に組んで突き出し、レシーブの姿勢になって構える。

ロボットは軽く跳ねてヨッシーの両手の上に乗っかると、間を置かずにバネを利かせるように高く飛び上がって。

「行くぞ！」

ウルフの掛け声により、ルーティはウルフと共に駆け出す。その間も、ウルフはバリアの天辺目掛けて銃弾を何発か放ち。