第六章
「伏せろ!」
そう声を上げながら、ウルフは咄嗟にルーティを床に押し倒して。直後、二人の真上を炎の柱が勢いよく通り過ぎる。
放ったのはクッパだが、様子がおかしい。
吊るされた人形のように頭は垂れていて、床から少しだけ浮いているのである。
「目を覚ませ、クッパ!」
マリオの発言により、彼が操られているのだとルーティは悟る。その犯人は間違いなく、マスターとクレイジーだろう。
クッパが片手を振り上げたのを見て、ウルフは起き上がると銃口を向けて。
「やめろ! クッパを撃たないでくれ!」
マリオが叫ぶ。――次の瞬間、クッパが炎の玉を幾つも作り出しては放ってきたので、ウルフは小さく舌打ちをするとルーティを立たせ、手首を握っては駆け出して。
「くそっ!」
炎の玉を右へ、左へと避けては走っていたが、不意にウルフの手が離れてしまい、まだ十分に回復していないルーティは転倒。
刹那、炎の玉がルーティ目掛けて放たれ。