第六章
パンッ
乾いた銃声が鳴り響いたが、ルーティは無傷。代わりに、タブーの後頭部から額にかけて、銃弾でぶち抜かれていて。
「タブー!」
クレイジーが声を上げて駆け寄ろうとするが、念力が解けたのかマリオが駆け出し、スライディング。足元を払われたクレイジーは、続いてヨッシーに蹴り飛ばされ。
「クレイジー!」
マスターが声を上げると、クレイジーは倒れる直前に浮遊し、何とか直撃を避ける。
「お前……っ」
クレイジーはウルフを睨み付けて。
「勘違いしてねえか?」
硝煙をふっと息で吹き消しては銃をホルスターに仕舞い、ルーティの腹から足を退かすと、ウルフはふんと鼻を鳴らし告げる。
「俺様が裏切ったのはてめえらだ」
ウルフはルーティの手を取って起こし。よく見れば、撃たれた左肩はただの掠り傷。
「よく気付いたな」
「あはは……ちょっと、痛かったけどね」