ウルフの頭に手を添えて、片膝に青い稲妻を走らせながら胸を目掛け、勢いをつけて突き当てようと試みる。……しかし。

「何処までもめでたい奴だな」

その片膝はウルフの両手によって塞がれて。もちろん、稲妻を纏っているのだから、ウルフが感電する可能性はあったのだが。

ウルフは稲妻を物ともせずにルーティの片膝を掴むと、左に引いて。バランスを崩したところで、手を離し目の前に来たルーティの腹を目掛け、肘打ちを食らわせる。

重心が傾いて床に叩き落とされ、ルーティは背中を強く打って小さく呻いた。

「やっ……やめてよ、ウル――」

呼びかけて、ウルフは静止させるようにルーティの腹を踏みつける。

何度も腹を狙われてはさすがに痛みで力が入らず、ルーティは腹を踏みつけてくる足を、震える手で掴んでは見上げて。

しかし、ウルフはぐりぐりと捻るようにして、ルーティの腹を踏みつけながら。

「勘違いすんなよ。てめえがどう思おうと、俺様は仲間となんか思っちゃいねえ」