第六章
風が起こったわけでもないのにルーティの髪が靡き、ばちばちと何かが弾けるような音が幾つも鳴って。
次の瞬間、ルーティの体の表面を青い稲妻が走り抜け、放たれた。当然、胸ぐらを掴んでいたガノンドロフは感電して。
「な……んだ、とっ……!?」
ガノンドロフはルーティを解放すると、ふらふらと後退した後、床に両膝を付いては倒れてしまい。
――どうして急に稲妻を放つことが出来たのか。ルーティは単純に逃げ回り、隙を伺っていたわけではないのである。
「セーフ、と」
ルーティは体を動かすことで己が発電機の役割を果たし、体内に充電していたのだ。
「うっわぁ、情けない」
形勢逆転されて倒れているクッパ、ガノンドロフ、ワリオを見るなり、クレイジーはくすくすと小さく笑みを溢して。
「でも、ルーティ」
クレイジーはぴたりと笑うのをやめると。
「まだ一人、残ってるよ?」