第六章



「無駄だ!」

クッパは右手を突き出し、炎の柱を放った。ルーティは対抗しようと両手を突き出すものの、肝心の稲妻が出ない。

やむを得ず、ぎりぎりになって右に飛び込むように躱し、床を前転して立ち上がる。

不意にルーティの頭上に影が映り、見上げるとワリオが拳を振りかざしながら降ってきた。ルーティはバク転しては躱すも、そこにまたクッパが迫ってきて。

「どうした? 息が上がっているぞ」

クッパはニヤリと口角を吊り上げる。

それもそのはず、攻撃を仕掛ける隙が全く無いのだ。ルーティは息を切らしていて。

「ワリオ!」

迫ってきていたクッパはフェイント。直後、クッパの後ろからワリオが飛び出し、クッパ自身はルーティを素通りして。

拳で殴りかかってきたところを片手で受け止め、受け流しつつ回り込んで足払い。

しかし追撃する隙もなく、翻すように空中に飛んだクッパは炎を纏った脚で踵落とし。間一髪、ルーティは躱すが隙だらけで。
 
 
31/61ページ
スキ