第六章
その様子を見ていたルーティは思わず後退し、壁にぴったりと背中を合わせて。
――やるか普通!?
しかし機械とだけあって頑丈なのか、ロボットは頭を摩りながらゲムヲを振り返る。
「僕は、心配をしてるっ!」
ゲムヲは語気を強めて。
「ルーティだけじゃない……ロボットにも、傷付いてほしくない……それが敵なら仕方ないかもしれない……けれど仲間、だから。本当は同じX部隊だから!」
今まで喋らなかった反動なのか、ゲムヲはべらべらと己の本心を口にして。ロボットに詰め寄り、足で強く床を踏みつけて。
「何で、分からないの」
いつの間にかぽろぽろと涙を溢しながら。
「辞書に並べられた言葉を口にして、いつも理由も分からずに。本当に、ただの機械みたいに……でも、違う。そうじゃない……! 君は、何より――」
ゲムヲはロボットの服をぎゅっと握り、胸に額を押し付けながら。
「僕の、大切な……パートナー……」