第六章
「もしかして、ゲムヲのパートナーって」
ゆっくりと歩み寄ってくるロボットから視線を逸らさず、後退りしながら口を開く。
「そう。彼はボクのパートナー。本来ならボクをサポートするべく存在。運命共同体。神の仰せのまま、彼もただ忠実に」
ロボットが片手を振り上げると、ゲムヲは立ち上がり、飛びついて。
「何故、邪魔をするのデス」
相変わらずの無表情。冷たい瞳でゲムヲを見下ろし、引き離そうと腕を掴む。
ゲムヲはただ、黙ったまま悲しそうな顔をして首を横に振る。しかし、それだけでゲムヲの本心が伝わるはずもなく。
「機械のように淡々と、マスター様とクレイジー様の命に従う。それがボクと貴方の務め。余計な感情はいらないのデス。守る、信じる……そんなくだらない言葉は」
ゲムヲは今一度、強くロボットを抱き締めると、目尻に涙を浮かべながら。
「違う……っ違う……ロボット……!」