第六章
次にルーティが気付いた時にはロボットは真上を飛んでいて、落下と同時に踵落としを仕掛けてきた。
床を横に転がって躱し、起き上がっては駆け出す。当然、ロボットは逃がすまいと猛スピードで追ってくるわけだが、ルーティは翻すように空中に飛び上がり。
「っこれなら」
後方にバク転しながらロボットを飛び越えて、着地。背を向けている隙に間合いを詰め、腕を掴んで壁に向かって背負い投げ。
「どうだ!」
壁に強く叩きつけられ、地面に横たわるロボット。ルーティは額に滲んだ汗を拭う。
やったか、と思ったのも束の間。
「ボクはロボット」
ぽつりと呟き、ゆっくりと立ち上がる。
「忠実に、完璧に、嘘偽り無く、ただ従う。全ては神の仰せのまま。その為なら」
ロボットの瞳が赤く変色し、左手を横に傾けて左目に添える。
「手段は選ばないのデス」
その言葉を合図に、中指と薬指の間を開き、両目から赤色のビームが放たれた。