第六章
ルーティはぼんやりと考えていた。
――亜空砲? ってことは多分、亜空爆弾と同じで、世界を切り取ることが出来る砲弾を放つことが出来るのかな。
「安心しろ。俺様はマスター様に、殺すなと命令されている……ま、瀕死にするなとまでは言われてないけどなぁ?」
そう言って、ワリオはもう一度機械のボタンに手を伸ばす。しかし、ヨッシーは阻止するようにその手を掴んで。
「あ?」
案の定、睨み付けるワリオ。ヨッシーは怖じけず、ニコニコと笑いながら。
「暫く待たないと充電出来ませんよぉ。後はゲムヲに任せて行きましょう?」
そう告げて、ほぼ無理矢理ワリオを連れて部屋を後にするヨッシー。
ヨッシーのさりげない良心に感謝をしつつ、ルーティは黙って此方を見つめている黒服の少年、ゲムヲを見つめ返して。