第六章



「っん……」

暫くしてルーティが目覚めると、そこは見覚えのない、薄暗い部屋で。

辺りにはよく分からない機械や、棚に並べられた薬剤。台の上には実験用の道具が雑に置いてあって……ここは、研究室?


コンコン


ガラスをノックする音が聞こえて、ルーティは飛び起きると辺りを見回して。

見れば、黒の衣服を身に纏った少年が、じっと此方を見つめている。意識がはっきりしてきた頃、ルーティはようやく、自分が置かれている状況に気付いて。

「なっ……何これぇ!?」

なんと、ルーティは部屋の中心部に設置されている、大きな円筒の中に閉じ込められてしまっていたのだ。

ルーティはガラスを叩いてみるが、びくともしない。立ち上がり、体当たりを試みるがひび割れるような気配もなく。

「ちょ、開けてよ! 出して! ねえ!」

そう黒服の少年に訴えかけるも、じっと見つめてくるだけで返事はなく。一応、聞こえてないわけではなさそうなのだが……?
 
 
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