第六章
「けほっ、けほっ!」
紫色の煙、即ち毒ガスを少しだけ吸ってしまい、ルーティは咳き込みながら跪く。
その隙に一体のロボットが飛びかかってきたが、マリオが蹴り飛ばして。
「あ、れ……?」
早くも毒が体全体に染み渡っていき、マリオが何かを叫ぶもルーティの耳には届かず、力無くその場に横たわってしまい。
次々と襲いかかってくるロボットに向かって炎を放ったり、拳で殴りかかるマリオ。
リンクは剣の柄でロボットの鳩尾を打ち、それから蹴り飛ばしている。
ぼんやりとルーティが眺めていると。
「……ラディスの、息子……」
頭上からそんな声が聞こえてきて、しかし見上げる間もなくルーティはその声の主に軽々と肩に担がれて。
気付いたマリオとリンクが何かを叫んでいたが、不意に二人は両膝を付き、地面に倒れてしまい。その後方に立つ、紫色の髪の少年の正体が分からないまま。
ルーティの意識は、そこで途切れた。