第六章



ルーティ、リンク、マリオの三人は行く宛もなく、一列になって歩き始めた。


――普段は見えず、触れられない世界。

ダークウルフが言っていたのが本当なら、ここは亜空間でありながら、多分まだ、エックス邸の内部でもあるのだろう。


「ちょっと面白いかも」

ルーティは思わず、小声で呟いて。

暫く歩いていると、ぽつんとしゃがみ込んでいる少年を見つけて、ルーティは小首を傾げつつも駆け寄ってみる。

「あの……」

ぽんと肩の上に手を置くと、同時に少年は首を百八十度回転させて振り返り。

「ひいいいいっ!?」

声を上げ、咄嗟に少年から離れてはその場に尻餅をつき、後退りするルーティ。

すると少年は立ち上がり、瞳を赤く光らせながら機械のような声音で。

「シンニュウシャ! シンニュウシャ!」
 
 
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