第六章
◆第六章『信じて』
「ここが……亜空間……」
ルーティは呆然と呟いた。
――扉を開けたらホスト部でした、なんて展開がどっかの漫画にあったけど。
驚きというか、上手く表現が出来ない。
「何も……ありませんね……」
リンクの言った通りだった。
ここには本当に何もない。ルーティはぐるりと見渡してみたが、建物一つ無いのだ。
亜空間は全体的に薄暗く、空に太陽はなく紫色の空が何処までも広がっていて。
地面はあるのだが、薄い赤紫色の霧が地面を覆っている。もしも穴があったとしたら、気付かずに落ちてしまいそうだ。
「後戻りは出来そうもないな」
マリオは振り向き、先程通り抜けてきた穴が塞がり、消え失せてしまっているのを確認すると、そう告げて前に向き直り。
「とりあえず」
リンクは短く息を吐き出して。
「歩きましょうか」