第五章
恐る恐るその穴、即ち亜空間への入り口の前に立つ。思わず、息を呑んで。
「あのさ」
ルーティは振り向くと。
「マリオ、リンク。二人にはついてきてほしいんだ。理由は分かると思うけど」
――亜空間にいるX部隊メンバーはウルフだけではない。他にも後六人いるのだ。
特にクッパとガノンドロフ……彼らはそれぞれマリオとリンクが長く対峙してきた相手なのだから、連れ戻すには当然、彼らの助けが必要になるだろう。
「分かりました。協力しましょう」
「右に同じ。てーか大歓迎っ」
マリオとリンクはお互いに顔を見合わせると、それぞれ告げては駆け寄って。
いよいよ亜空間に侵入する準備は整った。
ルーティはぎゅっと両手を握り締め、一歩踏み出してから、振り向かずに。
「行ってくるね」
そう告げたが最後、ルーティはマリオとリンクを引き連れて入り口を通り抜ける。
いよいよ、亜空間へ――