第五章



「あっ!」

ルーティが声を上げたのも無理はない。

亜空間へ通り抜ける為のその穴は、徐々に修復して閉じていったのだ。このままでは、またリムに負担をかけることに……

「たあっ!」

すると、駆けつけてきたネスとリュカがその穴に向かって両手を翳し、念力を送る。

すんでのところで穴は完全には閉じず、寧ろネスとリュカが超能力で抉じ開けていき。ルーティは駆け寄って。

「こういう……っことでしか、役に立たないけど……へへ、頑張ってね」

超能力を扱うのには体力を消耗するらしく、ネスはぎこちない笑みを浮かべて。

見れば、リュカも小さく頷いて。

「皆……」

たった一人が、誰かの為に何かをやり遂げようとしただけで、皆が力を貸してくれる。ルーティはその優しさに心を打たれた。
 
 
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