第五章
次の瞬間、リムは超音波に近い高い声を発し、地下全体を揺るがせた。
地下に置いてあった大きな棚が幾つか倒れ、壺が、花瓶が震え、割れる。しかし、耳を塞がれているルーティには彼女の声量がどれほどのものか、分かるはずもなく。
「なんだなんだ!?」
その声を聞きつけてきたらしいマリオやリンクは、地下に入るなり、耳を塞いで。
――やがて、リムの目の前の空気中に亀裂が走り、薄紫色の光が洩れてきて。
リムが渾身の力を振り絞り、音量を上げると、遂にその亀裂が穴を開いて、その先に紫色の世界を覗かせた。
「っはあ……はあ……!」
限界を感じたのか、リムはぴたりと声を出すのを止めるとその場にへたり込んで。
同じく騒ぎを聞きつけてきたピーチとゼルダが、心配そうにリムに駆け寄る。