第五章
――元々悪人面をしてたけど、まさかウルフが、本当に悪だったなんて。
案の定、ルーティは落ち込んで俯いていた。自分も余計なことを言ってしまったと悔やみ、フォックスはぽんと肩を叩いて。
「そんなに心配するなよ。パートナー云々の問題なら、三人で一組のところもあるし……俺とファルコと組めばいい」
微笑を浮かべるフォックス。
しかし、ルーティは顔を上げると、真剣な顔付きでダークウルフを見つめて。
「亜空間にはどうやったら行けるの?」
驚いたのはフォックスだった。
「まさかっ……行くつもりか!」
ルーティは頷いて。
「あそこにはウルフがいる。……ウルフだけじゃない、でも一番はウルフ」
考え直せと言わんばかりにフォックスはルーティの両肩を掴み、語気を強める。
「ウルフは俺達を裏切ったんだぞ!」