第五章



「つまり」

ダークピカチュウは俯きがちに。

「俺は……本当に、ダークシャドウじゃなくて、スピカで。だからお前達は、俺の為に……守る為に、この戦いをやめたのか」


真実――本当のダークピカチュウ、いや、スピカを傷付けない為に、戦いを中断させたダークシャドウ。それは何より、スピカを想い、慕っての行動だった。


「本当……なの?」

いつの間にかルーティの隣に並び、ぽつりと呟いたのはピチカである。

兄妹の再会。空は何を思って、雨を降らすのか……それは誰も、知るよしもなく。

「にぃに、なの……?」

スピカはゆっくりと顔を上げると、実の妹であるピチカをじっと見つめた。

が、思い出せず。

「……すまない。分からないんだ」

そう答えて、再び俯くスピカ。ルーティとピチカは顔を見合わせて。

すると、歩み寄ってきたピーチが。

「とりあえず、中で話しましょうよ。このままじゃ、寒くて死んじゃうわ」
 
 
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