第五章



すると、歩み寄ってきたダークフォックスが頭の後ろで手を組みながら。

「簡単に言えばそんな感じッスねぇ」

そう告げて、歯を見せて笑う。

「リーダーじゃないッスか。人型兵器だった俺達に仲間だとか、守るだとかを教えてくれたのは……そうじゃなきゃ、今頃しくじった誰かはぶっ殺されてっかもー」

相変わらずの軽薄な態度で、見兼ねたダークファルコが後ろから頭を殴る。

ダークフォックスは痛そうに頭を押さえ。

「何すん」
「リーダーの“大切な人”であるルーティの、“大切な人”……とやらを殺せば、ルーティが傷付くのは明白。それは、遠回しにリーダーを傷付けるということ」

声を上げようとしたダークフォックスの足をぐりぐりと踏みつけながら、ダークファルコは腕を組み、にこやかに告げる。

「だから、攻撃を中断させていただきました。一同、お詫びを申し上げます」

ダークフォックスの後頭部に手を回し、無理矢理頭を下げさせながら、ダークファルコはぺこりと頭を下げて。
 
 
18/37ページ
スキ