第一章
ルーティ、強面の男、薄茶色の髪の男の三人は駆けっていた。目的地はもちろん、集合場所のエアポート。
集合時間の十時はとっくに過ぎていた。
「あのっ!」
早くも呼吸を弾ませながら、ルーティは隣を走る薄茶色の髪の男を見上げる。
「なっ名前、教えて、ください!」
すると、薄茶色の髪の男はふっと笑って。
「俺はフォックス・マクラウド!」
「僕はルーティ・フォン!」
薄茶色の髪の男、フォックス・マクラウド。彼がパートナーだったらよかったのに。
何故か苦笑を浮かべるルーティに、小首を傾げるフォックス。……やがて、三人は森基森林都市メヌエルを抜けた。
視界に飛び込んできたのは目的地のエアポート。“X”とでかでかと描かれた飛行機はまだ、発進していない。
――どうやら、間に合ったようだ。