第五章
「そんなことないよ、ルーティ」
レッドはルーティに歩み寄ると、ぽんと肩の上に手を置いて微笑みかける。
「君は誰より、戦士に相応しい」
レッドが優しい声色でそう告げると、ローナはいつものように無邪気に笑って。
「進化が出来ない僕に、寧ろ変わらないでほしいって言ってくれた」
シフォンは口元に笑みを浮かべながら。
「不完全な私に、今まで見た中で一番綺麗だって笑ってくれたわ」
ローナとシフォンに同時に服の袖を引っ張られ、ネロはぎこちなく笑うと。
「力の制御が出来ない俺には、正義の味方みたいだって言ってくれたっけな」
――覚えててくれたんだ。
はっと目を見開いているルーティの頭を、レッドは優しく撫でてやりながら。
「君の純粋な心は、いつも誰かを救う。だとしたら、君は戦士であるべきだ」
ひと呼吸置いて。
「今度は――世界を救う為に」